「三谷、今日何食べたい?」

「俺、ハンバーグにしようかグラタンにしようか迷ってるんだけど」

「…は?」

 三谷は『半額』の冷凍食品を見ていた。

「このハンバーグ上手そうだなぁ…おっ!唐揚げあるじゃん!!」

「おい三谷。君、何を見てるのかな?」

「何って、冷凍食品。どーしよっかな…やっぱグラタン?」

「しばくぞ三谷ー!!あたしが作るっていってるでしょ!!」

「いや、絶対冷凍食品のほうが旨い」

「本気でムカツク。こうなったらハンバーグでもグラタンでも唐揚げでも、何でもつくってやるわよ!!!」

「マジで?」

「…何よ」

「じゃ、ハンバーグとグラタンと唐揚げ」

死ね

 

 スーパーからの帰り道…

「高杉、袋1つぐらい持ってくれてもいいじゃねーか」

「嫌」

「何だよお前。すっげー重いんだぞこれ!」

「ハンバーグとグラタンと唐揚げ食べたいとか言った三谷が悪いんでしょ?」

「だからって持たせる必要はねーだろ」

「ある」

「………」

 

「どぉ?おいしいでしょ?」

「…これ、マジでお前が作ったのか?」

 真顔で聞いてきたから、あたしはグーで殴った。どこをって、顔を。

「○&+□@$△*?!?!」

「さ、早く食べて。もし残ったら、明日の朝に食べてもらうからね」

「朝からハンバーグとグラタンと唐揚げを食えと?」

「さっさと食え!!」

「…わーったよ」

 あたしは、ハンバーグだけ食べておいた。

頑張れ三谷。あたしは明日の朝、トーストやいて食べるから。

  

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