「行ってきまーす」

「行ってらっしゃい」

 今日はいよいよ無人島旅行!

ま、三谷が一緒っていう最悪なコトは忘れて楽しもうっ!!

「行ってきますぐらい言えばよかったのに」

「優大には言った」

「あっそ」

 確かに優大は可愛いけどさ!!

「くそーっ、荷物が重い…」

「頑張れ三谷!」

「お前が降りてくれればいいんだけど」

「それは嫌」

「チッ」

「舌打ちするなっ!!」

 あたしは自転車をこぐ三谷の頭を思いっきりたたいた。

 

「さー!!無人島旅行楽しみも――っ!!!」

 委員長は元気だなー。

つーかみんな元気ですね…………………………あたしと三谷以外。

まぁ、あと2時間はあるし、最後のほうはみんな寝るのかなー?

「香恋ー、何か食べ物持ってきたー?」

 後ろの席の美菜子が言った。

ナイス美菜子!! 三谷と二人だけだったら無言でつまんないバスになっちゃうところだったよぉ!!

「あ、うん。お菓子なら」

「あき、すぐ寝ちゃって面白くないのー」

「あ、ホントだ」

「まだ港つくまで2時間はあるのに」

「そのうち起きるでしょ。さ、お菓子食べよーっ」

「太るぞ」

「うるさい!つーか自分も食ってるじゃん!!」

「俺は球児だから。運動するから」

「あたしだってバレー部だから運動するんですけど」

「ふーん」

「何よその目は!!」

「別にー」

「クソ三谷!!そのお菓子のどに詰まらせちゃえバカ!!」

「うっせーぞお前」

「何を〜〜〜〜〜っ」

 

「何でこんなに静かなの…」

「さぁな」

「三谷も寝れば良いのに。…永遠に

「おい!最後恐ろしいこと言ったぞお前!!」

「ま、気にするな」

「…」

 あー、もぉやだ。

さっきまであんなに騒がしかったバスの中。

それが、今はほとんどの人が寝ちゃってます。

あたしは後ろのほうの席だから、分かんないけど前のほうの委員長とかは起きてるみたい。

とりあえず、静か。

んー、あたしも寝よっかなーっ?

あ、お菓子食べるのもいいかも。…でもまた三谷に何か言われそう。

どーしよっかなー?

「ん?!」

 肩に何か重い物が…

「…って、三谷…?」

 三谷はあの短時間の間に寝たの?!

頭をあたしの肩に乗せて寝て…

やめて欲しいんですけど。

つーか重いよ。

 でも、結局動かせなかったから、そのままにしとくコトにした。

あとであることないこと吹き込んでやるんだから(←悪っ;;)

 すぐ横を見ると目に入る三谷の顔。

やっぱり、すっごい整ってる。カッコイイよなー。

これで性格があんなんじゃなかったら… ま、無理だと思うけど。

  

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