「ほら、言ったでしょ?」
「うん……」
最悪な合コンの次の日。
あたしと三谷はいつも通り学校へ行った。もちろん、あたしは自転車の後ろに乗せて貰って。
そしたら、案の定というか、質問攻めに…
「だから合コン行ったって香恋と三谷には付き合ってるって思われるって言ったのに」
「そーだけどぉー」
「てゆーか更に噂は広まってますよー?」
「うあぁぁぁっ」
「『火のないところに煙は立たない』よ?」
「なっ………美菜子の意地悪っ!!」
あたしは本気で思ったから言ったのに、美菜子は笑ってた。
「どーせあたしは意地悪ですよー」
とか言って。
「香恋、やっぱり三谷と付き合ってたんだねっ」
「舞香ぁ」
「証拠までちゃーんとあるし?」
「え?」
ちょっと待て。
証拠って何?!え、ちょっと舞香ー?!
「汚ねー手で人の女触ってんじゃねーよ だって」
「ちょっ…舞香?」
「格好良かったなー三谷っ」
「まさか…」
「ちゃーんと録音してあったりします♪」
「舞香…」
「証拠写真だってほら、バッチリ☆」
「舞香ぁぁぁっ!!!」
何でこんなことになっちゃったのよ…
あたしは三谷と付き合ってるって思われるのが嫌だったから合コン行ったのに!!
「くそー。ソレもコレも全部三谷が悪いんだっ!!」
「は?何言ってんだお前」
「三谷があんなこと言うからー」
「ワケ分かんねーんだよ!!そもそも合コン行ったお前が悪いんだろ?!」
「悪くな―――い!!」
「あっそ。勝手に言ってろ」
「何で?!何であたしがこんな奴と付き合ってることになってるの?!嫌だ!!絶対嫌!!死んでも嫌ぁ!!!」
「じゃぁ死ねば」
「死ね三谷」
「…何で俺なんだよ」
「だーってー 三谷がいなかったらいい話でしょー?!何でお前この世に産まれてきたんだぁーっ!」
「最終的に俺の存在まで否定するのかお前っ」
「うーるーさーいーっ」
あたしが言って、三谷が自転車を漕ごうとしたときだった。
野球部の男子が言った。
「お。今日も二人で帰るのか?」
「お前らラブラブだなー」
「うっせーな」
「おいお前今何つったラブラブだと?誰と誰が。三谷と高杉とか言ったらお前即地獄行きだぞ覚悟しろ」
「……高杉、帰るぞ。乗せて欲しくないんならカバンも持って帰れ」
「なっ…は?!やだ!!乗せて欲しい!!ちょっと待って!お義母さん言うぞ三谷―っ!!」
「お前それだけは言うな!!お前せこいぞ!!」
「せこいとか関係ない!!乗せろーっ」
そんなこんなで、あたしは相変わらず三谷と登下校中。