「おはよう」
「あ、おはようお姉ちゃん。 早いんだね」
次の日。
あたしは5時に起きて1階へ行った。
そしたら、何時に起きたのか分からないけど、お姉ちゃんがリビングでテレビを見てた。
「優大に起こされちゃってね」
「優大は?」
「寝かせたわよ。あたしは朝ご飯作ろうと思って、二度寝しなかったけど」
「ふーん」
「香恋も康輔君も、優大、優大って。そんなに優大が好きなの〜?」
「え?可愛いじゃん。 もうすぐしゃべれるようになるかな」
「もうちょっと先だと思うけど」
「んー そっか」
「でも香恋は優大から見たらおばさんでしょ」
「えー?やだぁ。 よし、『お姉ちゃん』って覚えさせなきゃ」
「はいはい、分かったから、お弁当早く作りなさいよ。自分の分も会わせて、4人のお弁当なんだから大変よ〜」
「そんなこと言うんなら、お姉ちゃん手伝ってくれたらいいじゃん」
「朝ご飯と晩ご飯作るのは誰かな〜?」
やっぱり、お姉ちゃんには勝てなかった。
「そーいや三谷が買えって言ったやつだ」
あたしはとりあえず冷凍食品を出した。
唐揚げとか、焼きそばとか焼き鳥とか、かにクリームコロッケとか。ほかにも色々。
グラタンは三谷が食べたいって言ったから買った。いや、別に三谷のためとかじゃないからね?
そういや三谷ってグラタン好きなんだなぁ。
「じゃぁ、三谷の好きなグラタン入れるか」
冷凍食品ばっかり入れるわけにもいかないから、あたしは卵焼きを作った。
で、あとは昨日の残りとか。
お弁当作り初日。
なんとか4人分のお弁当完成。
……と言っても、三谷のはカナリ手抜きだけどね。 ま、いいじゃん。三谷の好きなグラタン入れてあげたんだから。
そして、昼休み。
あたしはお弁当をもって美菜子の席へ移動。
舞香とか、他にもいろんな子と一緒に、結構大人数で食べるお昼。
「いっただきまーす♪」
「香恋はホント元気だねー」
「ま、それしか取り柄ないしね」
携帯がなったから見てみたら、お義兄さんからメール。
『お弁当おいしかったよ。ごちそうさま』
「よし」
「どーしたの?」
「ううん、何でもない」
「にしてはすっごい笑顔じゃん」
「そーお?」
おいしいって言われて気分が悪くなるわけないじゃんっ
やっぱお義兄さんは優しいなぁー 何で弟があんな性格なんだろうなー つくづく不思議に思う。
「おい高杉」
明日も頑張ってお弁当作ろう!! とか思ってたときだった。
「…何ー?」
何でこんな時に出現するかなぁ。
あぁ、食欲失せる……
「お前、俺のこと何だと思ってんの」
「1回死んで欲しい人。てか死んで?」
「……いや、今そういうことを言いたかったんじゃなくて」
「え?じゃあ何?」
「何だよこの弁当」
「何?!弁当に文句があるの?!作ってやってるんだから感謝して黙って食え!!」
「文句とか言う前に、何で俺の弁当箱がこんなに小さいんだよ!!」
「そんなの知らない!!」
「お母が今まで使ってたやつがあるだろ!」
「どこにあるのか知らないんだもん!!」
「じゃぁ探せよ!!」
「探した!!探してたらその弁当箱が出てきたんだから、それに入れたの!!悪い?!」
「じゃぁせめておかず増やすとかできねーのかよ!!!」
「おかずに文句あるの?!あんたの好きなグラタン入れてやったじゃん!!」
「そういう事じゃなくて…」
「じゃぁ何よ!おかずonlyのお弁当がよかったの?!」
「そんなこと言ってないだろ!!おかずonlyの弁当なんか俺絶対食わねぇぞ!!」
「だから何!!」
「果物入れるスペースがあるんなら唐揚げとか何か入れれるだろって言ってるんだよ!!つーかお母が使ってた弁当箱探せ」
「分かったわよ!!明日からおかずonlyのお弁当にしてやるから。 分かったらとっとと戻れ。食欲失せるから」
「誰がおかずonlyの弁当にしろって言ったぁぁ!!!」
「だから何が言いたいのよぉぉ!!」
以下省略。
残りの昼休みは三谷との喧嘩で終わっちゃった。
てかお弁当まだ半分以上残ってるんですけどぉ!! 三谷のバカァァ!!