「え?金貸せ?」

「おう、ちょっとでいいから…」

「ふざけたこと言わないでよ!!この間あたしお金出してあげたことあったよね?三谷が財布の中身確認しないでほいほい買い物するからっ!!」

「そんなの帰りの電車賃だけじゃねーか!たった数百円だぞ!?」

「数百円を舐めるなぁぁっ!!お前いつか絶対数百円に泣くぞぉ!!」

「お前舐めてんのか!!俺のこと舐めてんのか!!!」

「そんなの当たり前のことでしょ。ってかさっきの質問話の流れに合ってないし。どさくさに紛れて変なこと聞かないでくれる?」

「………おう、バカなこと聞いたなって思った」

「………」

「とりあえず、今の俺の財布の中身を考えて欲しいんだ」

「嫌」

「お願いだって、ホントに。ホントにお願いします。今度絶対なんか奢るからさぁ」

「いつだったか忘れたけどー、前にもそんなこと言ってたよねー。でもなんか買ってくれたっけ〜?」

「………」

「ほーら見てみろぉ!!嘘つきめ!!」

「お願いだって、今度は絶対約束する。絶対。な?」

「いーやっ。もう絶対三谷にはお金貸さないってあたし決めたんだから」

「そんないっぱい貸せって言ってねーだろ?!何が不満なんだお前は!!」

「逆ギレか貴様ぁ!!!」

 

 あ、皆さんこんにちは。僕は堀越 大地です。

なんかごちゃごちゃした中ですみません、ちょっと今康輔と高杉さんもめてて………

「って、ヤバイヤバイヤバイ。何やってるのぉぉ―!!!!」

 

 

 

 

 …はい、改めまして皆さんこんにちは。僕は堀越 大地です。

康輔と同じ野球部に所属してて、康輔のキャッチャーやってます。

ところで、『君の隣はあたしの指定席』は完結したけど、二人の関係って微妙ですよね。

僕も、そこの所はよく分かりません。

だけど、ちょこっとだけ、二人の生活を覗いてみましょう。進展があるといいんですけどね。

 

 

「ちょっと堀越聞いてよ!!」

「何だよお前!!大地を味方につける気か!!」

「元々堀越はあたしの味方だもんねー」

「ふざけんな!俺と大地はバッテリーだぞ?!バッテリーの絆を甘く見るな」

「あたしと堀越の絆も甘く見ないで欲しいんだけど」

 ………僕と高杉さんの間にはどんな絆が………?

ちょっと謎です。というより永遠の謎になりそうです(笑)

「とりあえず、喧嘩はやめようよ、ね?」

「…まぁ、堀越が言うんなら」

「じゃぁ、金貸「それ以上言うな。その先を言った瞬間このバットが飛ぶぞ」

 高杉さんはものすごい形相でバットを片手に言う。

「………ってかそれ野球部のバットだぞ、お前、ソレ野球部の…」

「さ、さて。康輔、片付けようか。もうすぐチャイム鳴るし。朝練修了っ」

 僕は、今日も強引に二人の喧嘩を止める。

これが、毎日の日課のような気もします。…気のせいですか?できれば気のせいであることを願うんですが。

 

 

 

「堀越、週末課題終わってる?」

 僕のクラスまで来ると、高杉さんは見せてくださいって顔をしながら言った。

「終わってるよ。見る?」

「さっすが堀越。ホントありがとね。…何であんなのとバッテリー組んでるのか不思議だわー」

「康輔がダメみたいな言い方だよ、それ」

「いや、ダメだもん。あたしは事実を述べただけだよ」

 …あぁ、そうですか………

「大地、週末課題見せてくれねーか?あのバカやってなくてさー」

「…三谷君。あのバカって誰のことかな?」

「…た、たか…高杉……」

「え?誰って?怒らないから言ってみ?」

「いや、別に誰もお前のことだとは言ってねーよ?」

「…へー。三谷、ちょっと来い

「ちょっ、ちょっと待てよ高杉。何か勘違いしてるって。マジで、マジでマジでマジで!!そんな怒るなって!とりあえず落ち着け、たかっ………い゙っ…痛い痛い痛い痛い!!!!!ごめんなさい!ホントにごめんなさい、だから……痛いっつってんだよ!!!

「許して欲しいんでしょ?え?許して欲しいんでしょ?なのに何?その態度。ふざけてんの?」

「痛いって言ってるだろぉぉっっ」

 ………外で起こっていることは気にしないことにしましょう。

…さて、もうすぐチャイム鳴るんだけど、二人は週末課題、どうるすんだろう?

「おーい、康輔、高杉さん。もうすぐチャイム鳴るけど?」

「「マジでか!!」」

 二人は一斉に手をとめると、教室に向かって走ってきた。

「見せて!!お願い見せて堀越っ!!」

「待てよ!俺にも見せろ!!お前だけずるいぞ!おい!高杉ぃぃ!!!」

「大丈夫だよ、週末課題はどこかに行ったりしないって。とにかく一端落ち着こうよ、ね?」

「三谷ぃ!それあたしのだし!!」

「マジでか?!」

「返せ!!」

「好きでとったんじゃねーよ!!」

「…聞いてる?ねぇ、聞いてる??」

 

 

 康輔には高杉さんがいないとダメだし、高杉さんには康輔がいないとダメ。

二人の関係ってこんな感じなのかな?

 今後、この二人がどうなるのかなんて、僕も分からないし、本人も分かってないと思う。

だけど、僕は二人ってお似合いだと思うんだ。

近い将来、康輔の隣で高杉さんがウエディングドレスを着てたりして………

「相変わらずバッカだねー、三谷」

「お前に言われたくねーし」

「まさかここまでバカだとは思ってなかったよ、あたし」

「ちょっと漢字間違えただけだろ、そんな目で見るなよ!!」

「いやいや、ちょっとじゃないでしょ。『構成』を『甦生』って書く人初めて見た」

「うるさい!!なんか俺がバカみたいに聞こえるじゃねーか!!」

「バカでしょ、あんたは救いようのないバカでしょ!!」

「いや、俺多分お前には負けると思うぜ」

「…さーて三谷、朝の続きといきましょうか。…ちょっと来い

 …いや、二人は近い将来漫才師になってるかもしれないね。

 

 とりあえず、二人の関係は今はまだこんな感じ。

いつか素直になれるといいね、康輔も、高杉さんも。ね?

モドル あとがき

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