「お義母さんが?!」

「嘘だろ!!」

「あぁ〜?」(優大)

 

 大変なことになってしまった三谷家。

何と、お義母さんが事故で足の手術をしたらしい。 で、全治3ヶ月だとか。

 

「お義母さん!!」

 あたしは一番に病室に入った。

中にはお義父さんもいて、お義母さんはベッドに座っていた。

「あらあら。みんなそろってどうしたの?」

「全治3ヶ月って…」

「心配することないじゃないの。別に命が危ないわけでもないし」

 こんな時も笑顔でいるお母さんって、すごいと思う…。

「それより、自分たちの心配したほうが良いんじゃないの?」

「「え?」」

 

 

 

「さて、お母さんが退院するまでどうするか、ね」

「何を?」

「家事よ」

「…あぁ、そっか」

 お義母さんが言ってたのってこういう事か。

「で、あたしパート休ませてもらうから、掃除とか洗濯はするわよ」

 とお姉ちゃん。

「問題は、ご飯だね」

 お義兄さんが言った。

「何で?」

「全部香凜に任せるわけにもいかないし」

「べ…………」

 別にいいんじゃないの?って言おうとしたけど、お姉ちゃんの目が怖かったから言えなかった。

「朝ご飯と晩ご飯はあたしがするから、みんなのお弁当、香恋が作ってよ」

「え?」

「朝ご飯作って、お弁当も作るのはちょっとしんどいから」

「頼んで良いかな、香恋ちゃん」

「うん、お弁当作るぐらいなら大丈夫」

「…俺嫌だ」

 ここでワガママを言う三谷登場。

…さっきまで会話に入ってなかったんだから、黙ってろよ。

「コイツが作る弁当なんか食いたくない」

「文句言うなよ康輔」

「嫌なもんは嫌だ」

 てゆーか三谷、あたしの料理食べたことあるよね? 特に問題なかったと思うんですけど。

「じゃぁ自分で作れば?」

「…んな面倒くさいことできるかよ」

「んな面倒くさいことあたしがしてあげるって言ってるんだから、素直に頷いとけばいいでしょ」

「……」

 というわけで、あたしの勝利。

明日から、あたしがお弁当を作ることになった。 ほぼ冷凍食品になりそうな気がするけど、そこは許してください…。

 

「お前何で義姉さんと一緒に買いに行かなかったんだよ」

「忘れてたんだからしょうがないでしょ!!」

 

 お弁当の材料(というより冷凍食品)を買いに行こうと思ってたんだけど忘れてた。

お姉ちゃんが買い物から帰ってきてから、買いに行こうとしたあたし。

そしたらお義兄さんは、『香恋ちゃん一人で行かせるのはよくないよ』って。別に大丈夫なんだけどなー

『そうだ、康輔。一緒に……』 「「嫌!!」」 って言ったあたしと三谷の意見はオール無視。 結局、二人で買い物に行くハメに。

お母さんの車につっこんだ車の運転手ー!! 恨むぞぉっ!!!

 

「おい。早く買えよ。 俺早く帰りたいんだけど」

「あたしだって早く帰りたいわよ!!」

「スーパーで大声出すな。 すげー目立ってんぞ。バカかお前は」

「あ……ゴメン」

「さっさと買ってさっさと帰るぞ」

「…うん」

 あぁ、とりあえず早く退院してくださいお義母さん…

  

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